市長コラム (平成27年5月)

2015年5月12日

 4月24日の「しぶし(424)の日」に、国史研究家の小名木善行さんに「百人一首に学ぶ日本の心」という記念講演をしていただきました。ご承知のとおり志布志は、天智天皇がこの地に住む人々の身分の上下にかかわらず篤い志の者が住む地であるということから、志布志であると名付けてくださり、その天智天皇の御歌(和歌)が百人一首のいの一番にあるということから、この講演をしていただきました。


 小名木先生によれば、この百人一首というのは百人の詠み手によって500年の平安な時代を著している叙情詩であり、この百人一首を学ぶことで本当の大和心を学ぶことができるとおっしゃっています。和歌の真髄は、本当に伝えたいことはあえて隠し、相手に察してもらうところにあります。だからこそ和歌を学ぶと相手を察する習慣が自然に身についてくるのです。日本人は、千年以上前から和歌を詠みお互いに鑑賞しあうことで察する能力を高めました。相手の心を察する習慣は、思いやりやおもてなしといった日本文化特有の美徳を育んできたのです。なぜ察することを大切にしたのか。その答えは聖徳太子の十七条憲法にあります。十七条憲法といえば、第一条の「和をもって貴(たっと)しとなす」ばかりが強調されますが、和歌と深く関係しているのが第十一条で、そこには「明察功過(めいさつこうか)」と書いてあります。意味は、「功績も過ちも、先に明らかに察しなさい。そして賞罰は察して事前にしてあげなさい」という意味です。事件や事故が起こってからでは遅く、起こる前に対処するのが人の上に立つ者の務めであるということを誰もが理解していたのです。そうして察する心を根幹とした日本文化は、文芸、絵画、彫刻、音楽、建築などあらゆる分野で美しい花を咲かせていたのです。


 天智天皇は、中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と呼ばれていたときに「大化(たいか)の改新」を成し、すべての民衆を天皇の「おおみたから」(公民)と定めました。民衆は天皇の直接の宝とされ、群臣百卿(ぐんしんひゃっきょう)(公務員)は天皇から政治権力を授かり、民衆のために働くという仕組みができました。つまり民衆は天皇の民であり、「全ての人が対等」とされ、民衆の祈りや思いを積極的に「察して」治世を行うことが群臣百卿の役割とされました。このような講演を聞き、志布志の地名のすごさ、また天智天皇の偉大さ、そして志布志がどのようなまちになるべきか察したところです。


 4月24日はお釈迦まつりウィークの始まりの日で幸先よくスタートしましたので、今年のお釈迦まつりも4月28日の前夜祭、29日の本祭ともに例年以上に盛り上がったお祭となりました。私たち志布志市民が、お越しくださったお客様の気持ちを最大限察することができたお祭にできたのではないかと思います。

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