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令和6年度 施政方針

更新日:2024年2月26日更新 印刷ページ表示

1 はじめに

 令和6年第1回志布志市議会定例会の開会に当たりまして、市政運営についての基本的な考え方を明らかにしますとともに、令和6年度における主要施策及び当初予算の概要について御説明申し上げます。
 1月に発生しました能登半島地震は最大で震度7を観測し、甚大な被害が発生しており、被害を受けられました皆様に心よりお見舞い申し上げるとともに、一刻も早い復旧・復興を願っております。
 被災地への救援や復興への支援を通じ多くの教訓を得て、本市の地域防災力を高め、自助・互助・共助・公助の4つの連携した取組によって、市民の安全・安心対策に努めてまいります。
 市政運営を担わせていただいてから7年目に入り、2期目の折り返し点を過ぎたことになりますが、所信表明でお示しした8つの政策ビジョンの実現に向けて、引き続き関係課で相互に連携し、総合的かつ計画的に取り組んでまいります。「市民が主役のまちづくり」「誰一人取り残さないまちづくり」を基に、市民目線で市民の立場に立つという方針の下、4つの行政経営指針として顧客満足度志向・オンリーワン・成果主義・先手管理をもって、市民ニーズへの迅速な対応と行政運営の効率化に努めてまいります。
 行政運営の際、市民の皆様への接遇については、「あたえたいこと」として挨拶・態度・笑顔・対応・一生懸命・言葉・徳を職員一人一人が意識するよう、徹底してまいります。
 現場主義の徹底を図り、多くの現場に出向き、その実態を把握し、課題を解決するための施策の実現に向けて、職員一丸となって全力で取り組んでまいります。
 志布志港の産直港湾としての認定や都城志布志道路の令和6年度全線開通、志布志東部地区から始まる歴史遺産の活用、地域コミュニティ協議会と市との協働によるまちづくりなど、本市には限りない可能性が秘められています。先人たちが守り築き上げてきた「ひと」、「まち」、「みなと」、「ふるさと」をさらに輝かせ、次の世代へと引き継ぎ、その可能性を最大限に生かすまちづくりを推進してまいります。
 急激な物価高騰、人口急減や少子化・超高齢化による深刻な人手・担い手不足、異常気象や大規模災害、新たな感染症など、これまでの常識や経験では対応が難しい中においても、職員一人一人が志布志市職員としての誇りと自覚を持って、そして高い志を掲げて、市民の皆様に信頼される市政の実現に向けて全力で取り組み、行ってみたいまち・住んでみたいまち・住んで良かったまちとなるよう、魅力あるまちづくりを目指してまいります。
 そのために、私自身が先頭に立って、市職員の可能性を最大限に引き出しながら、一緒になって様々な課題に挑戦し、将来都市像である「未来へ躍動する創造都市 志布志」の実現に向けて全力で取り組んでまいります。

2 市政運営の基本方針

 令和5年5月に、新型コロナウイルスが5類感染症に移行したことに伴い、本市においても4年ぶりに「志布志お釈迦まつり」や「志布志みなとまつり」、「大隅の國やっちく松山藩秋の陣まつり」を開催することができました。また、10月には、「燃ゆる感動かごしま国体・かごしま大会」が開催され、本市では成年男子サッカー競技が行われ、鹿児島県の準優勝という奮闘に多くの方が応援に訪れていただきました。
 これまでの市民の皆様の御協力により、いくつもの感染の波を乗り越えて、ようやくまちのにぎわいが戻りつつあることに、心から感謝申し上げます。
 これまでの「当たり前」に大きな変化が起きた、いわゆる「ポストコロナ社会」においては、絶えず世の中の動きにアンテナをしっかり張り、市民ニーズに機動的に対応できる体制の構築に努め、引き続き、コロナ禍による経済活動への影響からの回復や物価高騰対策について、国の制度を活用しながら全力で取り組んでまいります。
 国内においては、宿泊業・情報サービス業・建設業・飲食業などで人材不足が顕著になっており、今後2030年代には若年人口が急激に減少し、2040年代には高齢者人口がピークを迎えることが予測されています。人口が増加することを前提に構築されてきた現在の日本全体の経済・社会システムは、急速に進行する少子化による人口減少と超高齢化により、その維持が困難になる可能性があり、これまでにない危機に直面しています。
 これまでは、現在の課題や環境から将来の変化を予測して対応策を考える「フォアキャスティング」思考を中心に課題を解決してまいりました。
 不確実性が高く、これまでにない地域課題が増えていくと予測される今後は、先に実現したい未来を具体的に描き、その実現のために今必要とされる取組や選択肢のアイデアを数多く生み出すことを狙いとした「バックキャスティング」による考え方を持って、より効果的で効率的な施策を自ら展開していくことを目指してまいります。
 SDGsの実現についても、2030年までに達成すべき17のゴールが先に描かれており、その理念である「誰一人取り残さない」世界の実現のためには、バックキャスティング思考による新たな発想や、性の多様性LGBTQ+の理解を高めたりパートナーシップ宣誓制度を浸透させたりするなど、お互いが個性と能力を十分に発揮し多様な生き方を選択できるまちづくりが重要です。
 本市の人口減少の現状は、死亡数の増加と出生数の減少により年間200人から300人程度の自然減が続いており、高等教育機関が無いことから進学等による若年層の流出が顕著です。人口減少を防ぐための施策を構築する一方で、更新時期を迎える公共施設のうち、利用する対象人口が減少する中で何を残し何を生かすのか、また、行政サービスの提供体制についても将来の人口構成に合わせて、デジタルの力を活用してどのように最適化するかなど、バックキャスティング思考を持ちながら施策の構築に全庁を挙げて取り組んでいく必要があります。
 国におきましては、人口減少、少子高齢化や東京圏への人口一極集中などによる地方の過疎化に対し、デジタル化による大都市のような利便性と地域の豊かさを融合した「デジタル田園都市」を戦略的に構築するため、令和5年12月にデジタル田園都市国家構想総合戦略を改定したところです。戦略に基づき、令和9年度までの5年間で、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を構築し、デジタルの力を活用した地方創生を加速化・深化させる優良事例を横展開するとともに、従来の地方創生も更に推進することとされました。
 本市におきましても、令和4年度にまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、これまで地方創生に積極的に取り組んできたところですが、国の戦略改訂に合わせて現在本市の戦略も改訂作業を進めており、これまで進めてきた地域課題の解決や魅力向上に向けた地方創生の取組を、デジタルの力を活用して更に推進してまいります。
 以上の市政運営に当たりましては、1つの課だけでは解決できない課題も多いことからも、庁内横断的に連携し、情報の共有と分析に努め、全課で取り組んでまいります。
 限られた職員数で、市民サービスを向上させながら多種多様な課題に対応していくために、グループ制による連携強化や柔軟な組織運用による業務の平準化・働き方改革を進め、近年の社会情勢の急速な変化に対応するため、組織機構についても機能集約等の再編を進めてまいります。
 令和6年度は、令和8年度を終期とする第2次志布志市総合振興計画後期基本計画の折り返しとなる重要な年であり、各施策の着実な推進に向けて、関係課で相互に連携し、総合的かつ計画的に取り組んでまいります。

3 主要施策の概要

 以下、主要施策の概要につきまして、第2次志布志市総合振興計画で定めたまちづくりの7つの基本目標に沿って、順次説明を申し上げます。

基本目標1 「郷と郷」「人と人」「物と物」のつながりがあるまち

 基本目標1は、「郷と郷」「人と人」「物と物」のつながりがあるまちです。
 志布志港の整備・機能拡充につきましては、国際バルク戦略港湾の早期供用開始や原木流出防止等の安全対策の実施及び幹線貨物を取り扱う岸壁の耐震化に係る港湾計画への位置付けについての要望活動を行ってまいります。
 令和5年5月に、志布志港における「農林水産物・食品輸出促進計画」の認定を受け、産直港湾「志布志港」としての新たなスタートを皮切りに、外貿定期航路の再編による物流サービスの強化や、令和6年度中に都城志布志道路の全線開通が公表されるなど、港を取り巻く物流機能が大きく進展しております。この好機を逃さないよう、コンテナ貨物年間取扱量についてコンテナターミナル蔵置能力の12万TEUを目指し、官民一体のポートセールス活動や農林水産品・食品の輸出促進に、国、県及び輸出事業者と連携して取り組むとともに、国内外と幅広く志布志港のPRや助成制度を周知し、より一層の輸出促進を図ってまいります。
 国内物流においても、フェリー及びRORO船がモーダルシフトの受け皿としての役割が一層高まっていることから、RORO船及びフェリーさんふらわあに関するPR活動を行い、志布志港の利活用促進を図り、南九州地域の物流拠点として、志布志港の更なる発展に向けて取り組んでまいります。
 志布志港が、市民などの多くの方々に親しまれ、訪れやすい場所となるよう、志布志港内におけるにぎわい創出に取り組んでまいります。
 広域道路網の整備促進につきましては、令和4年10月に東九州自動車道(油津・夏井道路)の夏井区間、串間区間及び日南区間の着工式が開催されて以降、まだ未事業区間となっている宮崎県の南郷~奈留間の早期事業化について、全線開通に向けて関係団体等と連携して要望してまいります。
 都城志布志道路につきましては、全延長の約80%が供用されておりますが、令和6年度中に都城IC~乙房間、志布志IC~志布志港が供用開始される予定であり、圏域の皆様の悲願であった防災・経済・医療の道として全線44.3kmが開通することになります。
 これまで、官民一体となった要望等への御協力について、関係者の皆様にこの場をお借りして改めて御礼申し上げます。
 このように、市内の高規格道路の進捗が見えてきた中、更なる物流の効率化や利便性の向上に向けて、東九州自動車道と都城志布志道路を結ぶ「曽於志布志道路」につきまして、大規模災害時の支援物資等の輸送におけるダブルネットワーク化が期待されることから、関係機関等に早期事業化を要望してまいります。
 基幹道路の整備につきましては、東九州自動車道夏井インターチェンジへのアクセス道路外之牧2号線の整備促進や県道の採択路線の早期完成に向け、積極的な要望活動を行い、地域間格差の是正を図ってまいります。
 市道整備につきましては、交付金事業を活用し、一丁田宇都鼻線やグリーンロード志布志線等の整備を計画的に推進してまいります。
 地域公共交通につきましては、地域公共交通計画に基づき、地域の現状や課題を踏まえ、関係機関、交通事業者等と連携し、計画的に取り組んでまいります。
 予約型乗合い送迎サービス「チョイソコしぶし」につきましては、新たにインターネット予約受付の開始や中山間地域においては自治会や地域コミュニティ協議会との協議の上、住宅地停留所の設置を可能にするとともに、高齢者等会員と一般会員の会員区分を廃止することにより、チョイソコしぶしの利用しやすい環境を整備し、市民の利便性と乗合率の向上を図ってまいります。
 利用者の減少や運行事業者の人手不足等の影響により、路線バスの大幅な見直しが行われている現状を踏まえ、地方バス路線を維持・確保するため、近隣自治体と連携して広域的な取組を検討するとともに、新たに市内に居住する高校生のバス通学に係る費用の一部を支援し、路線バスの利用促進を図ってまいります。
 地域課題に応じた計画的な整備につきましては、将来の土地利用のあるべき姿を想定し、計画的な土地利用やにぎわいのある市街地・機能が集約されたコンパクトなまちづくりを推進していくために、立地適正化計画の策定に取り組んでまいります。
 都市下水路につきましては、台風や集中豪雨などの自然災害に対応するため、都市下水路の計画的な改修を行う必要があることから下水道事業基本計画を策定し、計画的に改修を進めてまいります。
 空き家対策につきましては、管理不全な空き家の所有者及び管理者に対して、空家特措法の一部改正に基づき対応するとともに、引き続き危険廃屋の解体及び撤去に係る費用の補助を行い、市民の安全安心な住環境の確保を図ってまいります。
 情報通信技術の活用につきましては、公共施設や各地域コミュニティ協議会の活動拠点へ、公衆無線LANの整備を年次的に進め、災害時の避難所開設での利用など、ICTによる利便性の向上を図ってまいります。

基本目標2 自然や風土と共生する安心で豊かなまち

 基本目標2は、自然や風土と共生する安心で豊かなまちです。
 住環境の整備につきましては、志布志市住生活基本計画に基づき、市営住宅の居住性向上等の住環境整備に取り組むとともに、木造住宅の耐震改修や危険なブロック塀の撤去、止水板の設置等への住宅リフォーム助成事業の活用を促進し、安全で安心して快適に生活できる住まいの形成に努めてまいります。
 移住や交流の促進につきましては、新型コロナウイルス感染症の5類移行後地方移住への関心が高まりつつあることから、引き続き、移住交流支援センター「エスプラネード」で移住に関する相談や支援をサポートし、情報発信の充実等を図ってまいります。
 住宅取得に係る支援につきましては、定住支援事業を創設し、これまでの移住者に加え、新たに市内居住者を対象にすることにより、人口流出を防ぎ、本市への定着を図ってまいります。
 移住希望者から空き家バンクへの問合せも増加傾向にあることから、空き家バンク登録促進事業を創設し、空き家バンクに登録する空き家の所有者に対してリフォームや家財処分に係る助成を行うことにより、更なる空き家の情報提供の充実を図ってまいります。
 少子高齢化により人口減少が急速に進行する中、若者の移住定着の対策として、引き続き奨学金返還支援事業に取り組むとともに、若者・子育て世帯移住支援事業を創設し、若者と子育て世帯の移住を支援することにより、更なるUIターンの促進を図ってまいります。
 結婚支援につきましては、引き続き出会いの場の提供や新婚世帯の新生活に係る経済的支援を行い、安心して結婚できる環境の整備を図るとともに、新たに、若者が集い交流する機会の創出や婚活相談所の設置など、積極的に婚活に取り組む若者を支援してまいります。
 市内高等学校支援につきましては、引き続き各種検定の受検を支援するとともに、新たに市内高等学校の魅力化を図る取組を支援し、地域に誇りを持ち、地域に根付くような人材の育成を推進してまいります。
 生活道路の整備・保全につきましては、橋りょう長寿命化修繕計画や舗装個別施設計画に基づき、ライフサイクルコストの縮減を図ってまいります。また、市道の管理方法について、伐採作業の機械化や道路のメンテナンス・フリー化を進め、計画的な維持管理に努めてまいります。
 公園・緑地の整備につきましては、都市公園内の施設更新を計画的に進め、誰もが利用しやすい市民の憩いの場となるよう公園の整備を進めてまいります。
 良質で安定した水の供給につきましては、市民のライフラインである水の供給のため、水道施設の適切な管理と計画的な施設更新等を行い、長寿命化を図ることで、持続可能な水道事業の運営に努めてまいります。
 水道課の事務所は、本年夏頃を目標に志布志町大原の農協前バス停付近へ移転し、業務効率化に向けて取り組んでまいります。
 再資源化の推進につきましては、これまでのモデル地区での実績を踏まえ、使用済紙おむつの市内全域回収を開始し、超高齢化社会の大きな課題のひとつである紙おむつの再資源化に取り組んでまいります。
 有明町伊﨑田に令和5年度中に整備が完了する、常設のごみステーション(仮称)志布志市循環センターを活用し、市民のごみ出し機会の拡充を図るとともに、将来的には5Rの推進を含めた環境教育の基幹施設としての活用を目指してまいります。
 高齢や障がいなどの理由から家庭ごみの分別に支障を来している世帯につきましては、ごみ分別お助け袋による分別支援やごみ出し支援による個別回収により、安心してごみ出しができる環境づくりに努めてまいります。
 5Rの推進と併せて、浪費をなくしごみを出さない「ごみゼロ(ゼロウェイスト)」を目指したライフスタイルへの転換を進めるため、環境学習会による普及・啓発を推進してまいります。
 生活排水の適正な処理の推進につきましては、農業集落排水事業において公営企業法を適用したことにより、中長期的な視点によって適切な経営が図られるとともに、浄化槽事業の普及啓発を図り公共用水域の環境保全に努めてまいります。
 脱炭素社会の実現に向けた取組の推進につきましては、令和4年12月に署名した世界首長誓約の事務局より協力をいただきながら、公共施設への太陽光発電設備等の再エネ導入や公用車のEV導入など、市民、事業者及び行政が一体となって市全体でのムーブメントを起こし、地球温暖化対策の取組を加速してまいります。
 生物多様性の保全につきましては、自然観察会の開催など生物多様性センターを拠点とした環境教育の機会を創出し周知を図るとともに、専門家や国・県と連携した特定外来動植物の実態調査や駆除活動に継続して取り組んでまいります。
 消防体制の強化につきましては、消防団員の研修、訓練による資質向上、各種助成制度の充実、団員確保を図ってまいります。
 消防用設備等の充実につきましては、大隅曽於地区消防組合における女性消防士の採用に伴い、志布志消防署に女性消防士専用の仮眠室等を整備するほか、消防団の資機材等を整備し、災害に強いまちづくりの実現に努めてまいります。
 地域防災力の向上につきましては、津波発生時の円滑な避難に資するため、標高表示板の増設や更新とともに、多くの市民や事業所の参画を促した地震津波防災訓練を実施し、災害対策本部の体制や各防災関係機関の連携強化を図ってまいります。
 防災に関する講演会や出前講座などの開催により、市民の防災意識の高揚を図ってまいります。
 能登半島地震においては、道路の寸断などライフラインが確保できない中、地域のきずなが強い地区で避難行動や安否確認、避難所運営等が円滑に行われており、自助・共助の要となるコミュニティの重要さや、地域の実情を把握し防災知識を持った地域内のリーダーの必要性が改めて認識されました。
 災害時の状況は地域ごとに特性があるため、市と各地域コミュニティ協議会と一体となって、防災意識の高揚や防災訓練等に取り組んでまいります。
 防災・減災対策の充実につきましては、近年多発する自然災害の対応に万全を期すため、県や気象台と連携を図りながら、気象に関する情報収集を的確に行い、市民の迅速かつ円滑な避難行動につながるよう、早めの避難情報の発令を実施するとともに、避難所における良好な生活環境の確保を図るため、各種備蓄品等の整備を進めてまいります。
 豪雨等により宅地内に流入した土砂等の撤去を速やかに実施し、市民生活の安定を図るため宅地災害復旧作業支援事業に取り組んでまいります。
 近年、激甚化、頻発化する災害に迅速に対応するため、災害発生時の一時的な事務量の増加に対してはグループ制を柔軟に活用し、国・県と連携を図りながら、災害箇所の早期復旧に取り組んでまいります。
 交通安全対策の充実につきましては、高齢運転者の事故防止を図る観点から、警察及び交通安全協会と連携し、広報活動、交通安全教室や出前講座などの開催により、交通安全意識の向上に努めてまいります。
 また、運転に不安を感じている高齢者を対象とした運転免許証自主返納支援事業につきましては、現金による交付へと変更することにより、更に自主的な免許証返納を推進してまいります。
 道路反射鏡、ガードレール等の交通安全施設の整備及び老朽化した施設の適正な維持管理に取り組んでまいります。
 防犯対策の充実につきましては、自分たちの地域の安全を守り犯罪を未然に防止するため、警察及び防犯協会と連携し、オレオレ詐欺や預貯金詐欺などの特殊詐欺の被害防止広報や地域安全パトロール等を行うとともに、出前講座等による啓発を実施してまいります。
 自治会等による防犯街灯の新設・更新・修繕に対して助成することにより、令和6年度末までに全ての防犯街灯のLED化を目指すとともに、夜間の防犯及び安全確保を図ってまいります。
 また、消費者トラブルを解決するため、専門知識を有する消費生活相談員が法律等に基づきアドバイスや交渉の支援を行い、被害の回復を図るとともに、出前講座等により被害の未然防止に努めてまいります。

基本目標3 大地の力と海の恵みを生かした魅力あふれるにぎわいのまち

 基本目標3は、大地の力と海の恵みを生かした魅力あふれるにぎわいのまちです。
 雇用・就労の支援対策につきましては、企業の人材不足の解消や地元就業への機会創出を目指し、合同企業説明会の実施や学生のインターンシップへの支援等を行ってまいります。
 企業誘致の推進につきましては、企業訪問や、企業立地フェアへの出展を行い、市内事業用地や国内外の航路、各種支援制度等の積極的なPRを行ってまいります。
 工業団地につきましては、広域道路網や志布志港の整備促進により物流アクセスが優位となったことの周知を図りながら、インター工業団地(松山地区1)の造成及び分譲を行ってまいります。また、その他の地区の工業団地につきましても整備を促進し、新たな企業の誘致を進めてまいります。
 担い手の育成・確保につきましては、農業公社等の研修事業や親元就農で新たな担い手の確保を図るとともに、法人との担い手育成・確保に関する連携協定により、農業研修機関をさらに拡大し、受入先及び関係機関との連携協力体制を強化することによって、多様な担い手の育成・確保に努め、農業振興並びに地域活性化を図ってまいります。
 国の新規就農者育成総合対策等を活用しつつ、本市独自の支援策として、昨今の資材高騰による初期投資を少しでも抑えるため、異業種から参入する新規就農者に対し、施設整備に対する追加の支援に取り組んでまいります。
 農業の振興につきましては、本市の基幹産業である農業の分野では、他の産業と同様、高齢化、担い手の減少、後継者不足等の人材の問題に加え、農業用資材等の高騰による経費の増加など、様々な課題が山積しており、そのような課題に対応するため開設した農業サポートセンターを中心に、専門家や関係機関と更に連携して、状況に応じた相談支援に努めてまいります。
 また、国の「みどりの食料システム戦略」を踏まえ、策定した本市独自の計画に基づき、関係団体と連携し、有機農業の推進や環境負荷軽減等の取組を推進してまいります。
 サツマイモ基腐病につきましては、対策の基本である病原菌を「持ち込まない、増やさない、残さない」ことに重点化して取り組んできたところであり、その結果、令和5年産においても被害が減少傾向にあることから、引き続き農地耕作条件改善事業により生産者、関係団体等と連携し、防除対策、排水対策、土層改良等を総合的に支援し、産地の維持及び経営の継続を図ってまいります。
 有害鳥獣対策につきましては、捕獲件数は増加傾向にあるものの、依然として農作物への被害が甚大であることから、市猟友会と連携し、一斉集中捕獲実践活動や猟期中における捕獲報奨金の支援の取組を継続し、更なる個体数の抑制を図るとともに、電気柵や地域での侵入防止柵の設置など、「個体数を減らす、侵入を防ぐ、寄せ付けない」取組を推進し、引き続き鳥獣害に対する地域住民の意識高揚と被害の低減に努めてまいります。
 茶業の振興につきましては、生産コストの低減及び収益性の向上を図るため、国・県の補助事業を活用し、設備の導入及び有機栽培への転換の支援に取り組んでまいります。
 消費者ニーズの変化により販売価格が低迷するなど、依然として厳しい販売環境が続いていることから、「しぶし茶」のブランド力の向上を図るための各種品評会への出品支援、情報発信等に積極的に取り組んでまいります。
 畜産の振興につきましては、全畜種において家畜伝染病の侵入リスクが高くなっているため、侵入防止に向けた啓発と、消毒薬配付等の支援により自衛防疫の意識向上に取り組んでまいります。
 令和9年度に北海道で開催される全国和牛能力共進会への出品を目指し、肉用牛産地の次代を見据えた地域のリーダーを育成するため、肉用牛改良青年部会の取組を支援してまいります。
 戸数減少等による生産基盤の脆弱化が懸念される中、国の補助事業を活用した支援により、生産基盤の維持・拡大に努めてまいります。
 林業の振興につきましては、森林の荒廃や公益的機能の低下を防止するため、森林経営管理事業により手入れの行き届かない森林の経営管理について所有者より委託を受け、森林パトロールなど森林の適正な管理を推進してまいります。
 未来につなぐふるさとの森事業につきましては、曽於地区森林組合と連携して費用の一部を助成することで森林所有者の負担を軽減し、間伐や再造林などの適正な森林管理を推進してまいります。
 集落周辺の森林の保全管理につきましては、竹の侵入等により森林が持っている多面的な機能の発揮が難しくなっており、国の森林・山村多面的機能発揮対策交付金事業を活用して、森林所有者や地域住民等が協力して行う森林の保全活動や地域活性化の取組を支援してまいります。
 森林整備等に必要な財源として、国税である森林環境税が令和6年度から個人住民税均等割と併せて課税され、その税収は森林環境譲与税として市へも譲与されることを踏まえ、制度等の周知、広報に努めてまいります。
 水産業の振興につきましては、本市の海産物の魅力を発信するとともに、志布志漁協施設整備事業により漁協施設の整備及び維持を図り、漁業用燃油の価格高騰により経営がひっ迫している漁業者等を漁業用燃料油価格高騰対策事業により緊急的に支援し、その経営安定を図ってまいります。
 夏井漁港につきましては、水産物供給基盤機能保全事業を活用して防波堤の長寿命化に取り組むとともに、引き続き漁協、関係機関等と連携し、施設の保全を図ってまいります。
 畑地かんがいの推進につきましては、土地改良区と連携し、畑地かんがい施設を適切に維持管理しつつ、長寿命化を図るとともに、更なる水利用の普及拡大及び畑作物の収益性の向上を図ってまいります。
 ほ場整備の推進につきましては、志布志地区の区画整理が完了する見込みで、上門地区、蓬原中野地区の早期完成に向けて取り組んでまいります。
 また、安楽土地改良区の一部について受益者から整備要望があり、令和8年度の新規採択を目指して事業計画作成及び権利者の調査を進めます。今後も、関係機関と連携し、地元関係者の協力を得た上で、事業の早期完成に向けて取り組んでまいります。
 多面的機能支払交付金事業につきましては、農地及び農道・用排水路などの地域資源の保全管理に資するため、農家と地域住民との共同活動により、農村の多面的機能の維持・発揮に取り組んでいるところであり、関係機関と連携し、適切な保全管理に努めてまいります。
 近年の鳥獣による農地被害の増加に鑑み、荒らされた農地を復旧する費用に対して鳥獣害復旧事業により定率助成を行うことで、農家の生産意欲の減退を防ぐとともに耕作放棄地の減少に取り組んでまいります。
 商工業の振興につきましては、商工業開業支援事業により開業を促進するとともに、売上を向上するための新たな取組を支援するため、チャレンジ補助金交付事業を創設し、経営力の強化を図ってまいります。
 地域住民が安心して暮らすために最低限必要となる商業機能を確保するために、既存店舗等において、その地域で不足する必要な品物やサービスを新たに提供する事業者等に対して、住み良か地域づくり支援事業を創設し、支援してまいります。
 新型コロナウイルス感染症に関連する融資の返済が本格化する中で、返済負担の軽減を図るための新型コロナ貸付利子補給金交付事業を創設し、事業継続を支援してまいります。
 また、障害者差別解消法の改正により義務化される、障がいのある方への合理的配慮の提供に必要な店舗改修に対し、バリアフリー店舗改修助成事業を創設し、事業者の経営を支援してまいります。
 志布志商店街モデル地区の商業・観光並びに歴史資源等の素材を改めて整理・分析し、商店街の現地調査や意見聴取等を行いながら、地域活性化や新規出店を促進するために商店街エリア計画を策定してまいります。
 観光の振興につきましては、第2次志布志市観光振興計画において重点コンテンツとして位置付けたダグリ岬一帯を、民間の活力を導入した開発手法を取り入れ、本市の観光拠点として引き続き整備に努めてまいります。
 地域資源を発掘し、整備・活用するため、独自の知見やノウハウを持つ国の外部専門家制度を活用し、アドバイスを受けながら魅力や価値の向上を図り、交流人口の拡大に向けて取り組んでまいります。
 新型コロナウイルスが5類感染症に移行されたことを受け、企画旅行や教育旅行の誘致を図るため、貸切バス旅行誘致助成事業について旅行エージェント等へ再度周知し、遠方からの観光客誘致に取り組んでまいります。
 また、地域経済への波及効果が見込まれる国内外からのスポーツ合宿を誘致するため、スポーツ団体誘致推進協会と連携し、スポーツ団体や大会主催団体への支援及び誘致活動に積極的に取り組んでまいります。
 観光客の受入れにつきましては、観光特産品協会と連携した受入体制の充実を図り、本市へ訪れる観光客へのきめ細やかなおもてなしを通じたお客様満足度の向上に努めてまいります。
 特産品のPRと販路拡大につきましては、観光特産品協会と連携を図りつつ特産品事業者との関係性強化に努め、市内特産品のデータベース化により、効率的な特産品のPRや営業活動を行ってまいります。
 また、本市の首都圏における活動拠点である東京駐在所による情報収集力や営業力を生かした販路の開拓、消費者や取引先のニーズを的確に捉えた商品開発や情報提供を更に加速させ、市特産品の販路拡大につなげてまいります。
 ふるさと納税につきましては、本市の特産品の魅力を生かしたふるさと納税寄附を推奨することにより、安定的な財源の確保に取り組むとともに、本市の認知度向上や特産品の振興につなげてまいります。
 併せて、本市へ寄附していただいた多くの方々と継続的な関係を築くシティセールスの基盤と位置付けて、更なる事業推進を図ってまいります。
 シティセールス事業につきましては、ふるさと納税事業の成果によって、全国的にも魅力的な特産品を有する地域として認知された本市の優位性を生かし、ふるさと納税と連動させた効率的な顧客管理により、本市の魅力的な資源である人・モノ・自然・企業力などの情報発信や特産品の販売促進を行うことで、志布志ファンを増やし、外部から人材・物財・資金・情報を呼び込んで経済活性化を図るシティセールスを推進してまいります。
 そのため、本市へふるさと納税寄附ができる特設サイトや特産品をネット上で販売するECサイトを連動させ、観光誘客や移住定着につながる情報等を集約させた「(仮称)志布志ファンサイト」を新たに運用してまいります。

基本目標4 生き生きと笑顔で暮らせるまち

 基本目標4は、生き生きと笑顔で暮らせるまちです。
 自助共助による健康づくりの推進につきましては、国の自殺総合対策大綱を踏まえて策定した、第2次志布志市自殺対策計画に基づき、ゲートキーパー養成講座を実施するなど、自殺対策の強化を図ってまいります。
 緊急医療体制の確保につきましては、安心して医療を受けられるよう、曽於地域、大隅地域、都城地域の医療圏と広域で連携し、事業の継続に取り組んでまいります。
 また、本市に不足している小児科につきまして大隅・曽於地域の医療関係者と連携を図り解決に取り組むとともに、小児科開設支援補助事業を創設し、医師への求人・転職情報配信サイトに掲載するなど、誘致を図ってまいります。
 子育て支援の充実につきましては、幼児教育・保育にかかる国の無償化制度に加えて、本市独自の子育て支援事業として、これまで有償となっていた0歳から2歳児の保育料について、保育料の完全無償化を行います。
 また、物価高騰の中でも、栄養バランスや量を保った従前どおりの給食等が確保されるよう、県の補助事業を活用し、保育所等に対して必要な経費を支援するなど、子育て世帯への経済的負担の軽減を図ってまいります。
 児童手当につきましては、国の制度改正により、令和6年10月支給分から支給対象者を中学生から高校生までに拡充し、第3子以降の児童につきましては支給額を増額することにより、子育て世帯の生活の安定や児童の健やかな成長を図ってまいります。
 これまで出産祝金として第1子・第2子に対しまして、5万円を給付しておりましたが、更なる子育て支援の強化を図るため、第1子からの給付額を10万円に引き上げることで、少子化対策、子育て支援の充実を図ってまいります。
 病児保育事業につきましては、令和5年度から事業休止の状態が続いておりましたが、病児保育を実施する事業者の施設改修費用の支援等を行い、事業再開による保育の負担軽減に取り組んでまいります。
 令和6年4月に施行される改正児童福祉法により、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもに対して、母子保健・児童福祉の両機能が一体的に相談支援を行う機関として、「こども家庭センター」の設置に努めることとされたため、設置に向けて検討してまいります。
 母子保健の推進につきましては、新たに、アプリによりいつでもどこでも健康相談ができるオンライン相談事業、低所得の妊婦に対する初回産科受診料の一部を助成する事業を開始し、全ての妊婦、子育て家庭が安心して出産・子育てができる環境の構築に努めてまいります。
 また、子育てに優しい地域環境を整備するため、庁舎内にベビーケアルームを設置し、妊娠・出産・子育て期に寄り添った支援に取り組んでまいります。
 地域福祉の充実につきましては、新たに策定した第3期地域福祉計画・地域福祉活動計画に、重層的支援体制整備事業実施計画・地方再犯防止推進計画・成年後見制度利用促進基本計画を包含し、各計画に基づき様々な課題を抱える世帯に対し包括的な相談支援に努め、複雑化・複合化する支援ニーズに対応するため、相談支援・参加支援・地域づくりに向けた支援、の一体的な体制を整える重層的支援体制整備事業への移行準備を進めてまいります。
 虐待の防止につきましては、全国的に虐待の発生件数が増加傾向にある中、本市においても年度による件数のばらつきはあるものの事案が発生しており、県内で初となる虐待防止条例を制定することにより、虐待の予防及び早期発見、防止等に関する本市の姿勢や取組の方向性を示すなど、虐待のない、誰もが安心して暮らせるまちの実現に努めてまいります。
 志布志市健康ふれあいプラザの長寿命化を図るため、大規模改修工事実施設計を行い、市民の健康づくりとふれあいの場の拠点となる施設として維持管理に努めてまいります。
 障がい者福祉の充実につきましては、新たに策定した第5期障がい者計画等に基づき、関係機関と連携して施策の推進に努め、障がいのある方の更なる日常生活の利便の充実を図ってまいります。
 発達障がいへの理解や、障害者差別解消法の改正に伴う合理的配慮の提供に関する周知、啓発のために講演会等を実施してまいります。
 介護保険事業につきましては、高齢者保健福祉計画及び第9期介護保険事業計画に基づき、高齢者が地域で安心して生活できるよう、地域の需要に応じたサービス基盤を確保しながら、介護予防・健康づくりの充実、認知症対策などの充実・推進に努めてまいります。
 認知症予防・ケアの推進につきましては、認知症に関する正しい知識の普及、認知症の人に関する正しい理解を深められるように、認知症カフェ「オレンジほっとカフェ」の活動を支援するとともに、認知症サポーター養成講座を実施し、サポーターを「チームオレンジ」として組織化しながら活動の充実を図ってまいります。
 国民健康保険事業につきましては、今後、厳しい財政運営が想定されることから、県や国保連合会と連携を図り、各種保健事業の推進に向け取り組むとともに、健全な財政運営を確保しながら事業の安定化を図ってまいります。
 第3次健康しぶし21を策定し、活動分野ごとに組織横断的に乳幼児から高齢者までライフステージに合った健康づくりを推進してまいります。
 また、効果的な施策を企画、実施し、市民一人一人の健康意識の向上や生涯を通じた継続的な健康づくりに取り組み、健康寿命の延伸を目指してまいります。
 団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題を見据え、高齢者の健康状態を把握し、課題を分析するとともに、生活習慣病やフレイル予防対策を推進することで、高齢者の健康増進を図り、健やかな生活が送れるよう、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施事業に取り組んでまいります。

基本目標5 心豊かで志あふれる人づくりと伝統・文化のまち

 基本目標5は、心豊かで志あふれる人づくりと伝統・文化のまちです。
 知・徳・体の調和のとれた教育の推進につきましては、次代を担う子どもたちに、「確かな学力」「豊かな心」「健やかな体」をバランスよく身に付けさせるために、地域にある自然や伝統・文化、人材等の豊かな教育資源を活用し、幼・保・小・中・高をはじめ関係機関等との連携を深め、児童生徒自らが志を高く持つとともに、自らの郷土を愛し、その発展に尽くそうとする意欲や態度を育てる教育に努めてまいります。
 確かな学力の育成につきましては、小・中学校に対してデジタル教科書を導入し、音声教材やモニタ等を使用して動画教材等を使用するなど、より効果的で多様性のある授業展開を図り、学習理解度の向上や学習効率の向上に努めてまいります。
 豊かな心の育成につきましては、子ほめ条例を生かしたほめる教育の実践や体験活動を生かした道徳教育の推進、周りの人に感謝の気持ちを伝える「志の言の葉」の取組、司書補等を活用した読書活動の充実、学校・家庭・地域の連携によるコミュニティースクールの充実を図るとともに、いじめ、不登校、問題行動等の早期発見と解決に努めてまいります。
 特にいじめ・不登校の未然防止につきましては、学校が全ての子どもたちにとって心の居場所、きずなづくりの場となるように各関係機関との連携や、臨床心理士等による支援体制の充実を図りながら、魅力ある学校づくりを推進してまいります。
 また、学びの多様化教室「松風」では、保護者会の開催による保護者との連携充実や、特別支援教育支援員を配置することにより、学校と家庭、学校と松風をつなぐ支援体制を充実し「飛び出せ松風」を目指してまいります。
 健やかな体の育成につきましては、「体力アップ!チャレンジかごしま」の全学級実施、一校一運動に取り組み、体力向上推進アドバイザーを活用した体育授業の充実等により、児童生徒の運動に対する関心・意欲の高揚を図りながら、体力・運動能力の向上に努めてまいります。
 学校における感染症対策につきましては、これまでの経験を踏まえ、円滑な教育活動の継続を前提に、なお一層の予防と感染拡大防止に努めてまいります。
 基本的な生活習慣の確立や食育の充実につきましては、栄養教諭の活用を図り、食の重要性や健康に関する意識の向上や実践化につなげるとともに、むし歯を予防するため、関係課が連携してフッ化物洗口に取り組み、更なる歯と口の健康づくりについて、家庭への啓発も行いながら推進してまいります。
 学校給食につきましては、地元の食材を活用した学校給食を提供することにより、児童生徒に地域の食材の良さを認識してもらい、本市の特産品や郷土料理に対する理解と関心を深め、食を通じて感謝の心を育んでまいります。
 学校給食費無償化事業につきましては、給食費を完全無償化することで、保護者の経済的負担の軽減を図り、子育て支援を行ってまいります。
 特別支援学校の分置につきましては、令和6年2月20日に開催されました鹿児島県議会定例会におきまして、知事が本市の伊﨑田学園の敷地内に新たな特別支援学校を分置することを発表されました。令和元年に本市議会が県教育長に対して提出した「志布志市内への特別支援学校設置による対象児童生徒の通学に係る負担軽減を求める要望書」から始まり、市民と一体となった要望活動が実を結んだことに、感慨深いものがございます。可能な限り早く通学等に伴う児童生徒や保護者の負担が軽減されるよう、県と連携し、分置に向けて取り組んでまいります。
 昨年、伊﨑田校区コミュニティ協議会から、特別支援学校分置の要望に併せて伊﨑田学園を義務教育学校とすることについての署名を添えた要望書が提出されました。これまで、伊﨑田学園の在り方については、先進事例等の調査研究等を含め、検討を進めているところでありましたので、期待される様々な効果等を踏まえながら、当事者である保護者の意見等を丁寧にお聴きした上で、伊﨑田小学校の敷地内に、小学校と中学校の施設一体型の新たな小中一貫校の整備を進めてまいります。
 また、今回、分置候補地とされたことにより、こども園から小学校、中学校、特別支援学校を含めた共生社会を推進するインクルーシブ教育の実現に向けて、県と連携し、取り組んでまいります。
 教育環境の整備につきましては、学校施設長寿命化計画に基づき、老朽化した校舎等の改修を行うとともに、児童生徒が安全で安心して学べる教育環境の充実を図るため、防犯カメラ等を整備してまいります。
 また、学校施設の照明については、脱炭素社会の実現に向けて計画的にLED化を進めてまいります。
 学校給食センターの運営につきましては、委託業者との連携を密にして、より安全安心な学校給食の提供に努め、栄養教諭による更なる食育指導の充実を図ってまいります。
 生涯学習の推進につきましては、市民ニーズに対応した講座を開設し「いつでも、どこでも、だれでも」学べる生涯学習の推進に引き続き努めてまいります。
 また、少子高齢化社会への対応と市民を主役にしたまちづくりの推進を図るため、創年市民大学を引き続き開設し、バラエティに富んだカリキュラムを設定し、地域を愛する「地域学」をテーマにした講座等の充実を図ってまいります。
 図書館につきましては、市民が気軽に利用できる図書館を目指し、移動図書館車による貸出しサービスをはじめ、高齢者、障がい者、交通弱者等への宅配サービスの充実を図ってまいります。
 24時間いつでも・どこでも利用することができる電子図書館サービスによる、多様な読書機会の確保と利便性の向上に努めるとともに、読書通帳を活用し、紙書籍と電子書籍のバランスを考慮しながら、図書館機能の充実とサービスの質の向上、利用促進を図ってまいります。
 また、乳幼児へのブックスタート事業、小学新1年生へのセカンドブック事業、小学校卒業時に心を耕す一冊の本を贈るサードブック事業を実施するとともに、学校や図書館ボランティアと連携して、家庭や地域・学校において心のつながりを育むきっかけとなる環境を提供してまいります。
 社会教育の充実につきましては、教育の原点である家庭での教育が最も重要であり、家庭での教育力を高めるため、講座や講演会の開催、子育て手帳等による啓発活動の実施とともに、保育園、認定こども園、小中学校における家庭教育学級の開設を推進し、学習の機会の充実を図ってまいります。
 また、リーダー研修や国外研修の充実を図り、心豊で志あふれる人間性や社会性を身に付けた青少年の育成に取り組んでまいります。
 スポーツ活動の推進につきましては、レインボー424スポーツクラブと連携し、スポーツ教室の実施やニュースポーツの普及を図り、市民が多様なスポーツ活動に取り組める環境づくりに取り組んでまいります。
 また、スポーツ活動の拠点となる施設を、利用者が安全で快適に利用できるよう維持管理に努めるほか、利用の多い施設へオンライン予約システムを先行して導入し、利用者の利便性向上を図ってまいります。
 文化芸術活動の推進につきましては、小中学校を対象とした演劇・音楽コンサート等を開催し、良質な演者を招へいすることで、芸術に対する興味・関心の向上に努めてまいります。
 伝統文化の保存・継承につきましては、地域に伝承されている郷土芸能や伝統行事等の担い手を育成するために継続的な支援を行い、次世代への継承に努めてまいります。
 歴史遺産の保存・活用につきましては、埋蔵文化財センターで郷土の歴史や文化財に関する企画展を開催するとともに、志布志城CG動画等のデジタルコンテンツを活用することで、文化財の魅力を発信してまいります。
 志布志麓庭園の整備活用につきましては、福山氏庭園の主屋建物の復元整備が完了するため、学びと体験の施設として公開を開始し、志布志麓や志布志城を訪れた観光客が立ち寄れる施設として、活用に努めてまいります。
 また、平山氏庭園につきましては、本来の姿である寺院庭園としての整備を目指し、発掘調査を行ってまいります。
 歴史のまちづくり事業につきましては、先人たちが築いてきた歴史遺産である、日本遺産の「志布志麓」、続日本100名城の「志布志城」などを魅力ある観光資源として、点と点をつなぐ活用を図るとともに、その魅力を発信してまいります。
 歴史のまちづくり事業を先導する取組として、麓地区の古民家再生をリーディングプロジェクトとして掲げており、令和5年度に策定した古民家再生の個別計画である「志布志東部地区エリア基本計画」に基づき、古民家の利活用を進めてまいります。まずは地域の志ある個人・企業等が参画した組織を立ち上げ、事業者や市民と一体となって歴史遺産を活用した魅力ある観光まちづくりを推進し、まちなかのにぎわい創出に努めてまいります。

基本目標6 人と地域が輝く共生・協働・自立のまち

 基本目標6は、人と地域が輝く共生・協働・自立のまちです。
 新たな地域コミュニティの活動支援につきましては、市の地域づくりの対等なパートナーである地域コミュニティ協議会が、市内全域で主体的に、活発に活動できるよう、人材面・財政面・施設面等の支援を継続してまいります。
 また、地域コミュニティ協議会が、地域の特性や資源を活かして地域の魅力向上につなげ、地域の課題解決を図る取組に対して地域魅力UP応援事業を創設し、支援を強化してまいります。
 地域コミュニティ協議会と市との情報共有のツールとしてLINE WORKSを導入し、更に連携を深めてまいります。
 共生・協働・自立によるまちづくりにつきましては、2030年をゴールに設定した17の世界目標により「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目指すSDGsをより一層推進する上で、市民、団体、事業者等と一体となってSDGsの達成を目指すため、SDGsチャレンジ補助金を創設し、SDGsに資する活動を支援し、地域の魅力向上や課題解決を図ってまいります。
 男女共同参画の推進につきましては、ジェンダー平等の実現に向けて、出前講座を中心とした周知啓発に努めるとともに、誰もが様々な場面で性別にかかわりなく活躍できる未来につなげるための取組を進めてまいります。
 ダイバーシティの推進につきましては、性別や性の在り方に限らず、人種・国籍・障がいの有無・価値観など、個人個人が持つ背景を理解し、認め合うことがこれからのまちづくりに不可欠な視点であり、全ての人が互いの人権を尊重し、責任を分かち合い、その個性と能力を十分に発揮しながら多様な生き方を選択できる魅力ある社会の形成を目指すため、令和6年1月から開始したパートナーシップ宣誓制度についての周知や、セミナー等の開催により理解を深め、広報及び啓発に努めてまいります。
 多文化共生の推進につきましては、増加している外国人住民のニーズを捉え、日本語教室や生活オリエンテーションを基礎とした、互いの文化や習慣を尊重できる地域づくりを目指してまいります。

基本目標7 市民とともに歩む「ムダ」のない経営

 基本目標7は、市民とともに歩む「ムダ」のない経営です。
 人材育成の推進につきましては、顧客満足度志向・オンリーワン・成果主義・先手管理の4つの行政経営指針を基軸として、志布志市人財育成基本方針に基づく職員像「市民の目線に立って、自ら考え行動する職員」を目指し、職員の育成に努めてまいります。
 デジタル社会の構築に向けては、職員のITリテラシーの向上及び業務改善発想方法の確立が重要であり、地域課題の解決や市民サービスの向上のため、事業者のDX知見を活用したデジタル人材の育成に取り組んでまいります。
 行政組織の効率化につきましては、社会情勢が急速に変化する近年において、限られた職員数で、市民サービスを向上させながら多種多様な課題に対応していくために、現状の枠にこだわらない組織内の幅広い連携や、効率的な体制構築が不可欠であり、令和6年度から全庁へ導入するグループ制による連携強化や柔軟な組織運用により、職員間でカバーしあいながら一体となって業務を実施するなど、施策の推進体制の強化や職員の働きやすい環境の構築につなげてまいります。
 また、本庁機能の集約や組織の再編を行いながら、更なる市民サービス向上や簡素で効果的な組織を目指してまいります。
 職員のワークライフバランスの実現を目指し、自宅や別庁舎でも業務が行うことができるテレワークを推進してまいります。これにより、働き方を改革し、通勤時間の短縮、出張等の移動時間の活用が図られ、併せて通勤コストや時間外手当の削減などに努めてまいります。
 職員がパソコンで日常的に行っている作業を自動化するRPA(Robotic Process Automation)を拡充させ、定型業務の自動化を推進し、業務の効率化を進めてまいります。
 また、庁舎内の文書と決裁の電子化を拡充させ、文書の保管スペースの削減や文書管理にかかる業務の削減に努めてまいります。
 行政サービスの利便性の向上につきましては、窓口業務の改革を進め、窓口支援システム(書かない窓口)等を導入することにより、市役所へ来庁される方の申請書の記載をなくしつつ、正確で漏れのない手続案内の実現に努めてまいります。
 また、24時間、時間にとらわれず、市役所に来庁することなく、申請、届出等の行政手続を簡単に行うことができるよう、料金等の決済機能やマイナンバーカードを連携させ、電子申請サービスの更なる拡充を図ります。
 マイナンバーカードの普及促進につきましては、今後も施設入所者や長期入院患者、交通弱者など申請が困難な方に対する戸別訪問に加え、福祉施設等が行う申請サポート代理交付を支援してまいります。
 住民税特別徴収税額通知や個人住民税申告につきましては、通知や申告の電子化を進めることにより、事業者や市民の利便性向上を図ってまいります。
 また、昨年度導入した軽自動車税種別割及び固定資産税に加え、市民税普通徴収、国民健康保険税についても二次元バーコードを利用した各種キャッシュレス決済に対応し、多様化する納付環境の更なる充実を図ってまいります。
 契約事務につきましては、令和5年7月から本格運用を開始した電子契約により、これまで行っていた紙の契約書の印刷・製本・押印・郵送の省略に加え、印紙税の経費節減、契約事務の簡素化など、事業者の皆様に対する利便性向上を図ってまいります。
 デジタルデバイドの解消につきましては、総務省の補助事業を活用したスマホ講座に加え、新たに本市独自のスマホ講座を開催するとともに、スマホ活用に関するパンフレットを作成し、デジタルが苦手と感じる方でもデジタル化の恩恵を享受できるよう取り組んでまいります。
 デジタル庁が進める自治体情報システムの標準化・共通化に向け、令和7年度までに円滑な移行ができるよう、関係機関と連携し進めてまいります。
 情報の発信と適切な管理につきましては、広報紙、ホームページ等多様な媒体を活用し、情報発信の充実を図るとともに、情報発信力の向上に取り組み、市民ニーズに合わせた、分かりやすい行政情報の提供に努めてまいります。
 市公式LINEを市民に使いやすいサービスとして確立するため、多様化・高度化するニーズに的確に対応した情報発信や行政サービスの提供を集約してまいります。
 歳入の確保につきましては、デジタルオルソ画像(航空写真デジタル画像)を更新することにより、効率的で正確な課税客体の現況把握に努め、固定資産税の適正な課税及び公平な税負担の確立に努めてまいります。
 企業版ふるさと納税につきましては、本市が取り組んでいる様々な地方創生プロジェクトを効果的に事業者等へ情報提供し、共感を得て、多くの企業等とのパートナーシップの構築を図ってまいります。
 民間事業者等提案制度等を通じて企業等との連携体制を積極的に構築し、パートナーシップの下、地域や市民の皆様との多様な関わりを深めることにより、地域の課題を解決し、関係人口の創出・拡大を図ってまいります。
 国の地域活性化起業人制度を活用し、三大都市圏に所在する企業等の社員を一定期間受け入れ、そのノウハウや知見を生かしながら地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事してもらうことにより、企業等と協力しながら地域活性化を図ってまいります。
 計画的な施設更新と公有財産の有効活用につきましては、志布志市公共施設等総合管理計画及び個別施設計画を計画的に推進するため、庁内横断的に地域ごとの各施設の方針を協議し、公共施設マネジメントの取組を推進してまいります。
 国民宿舎ボルべリアダグリや蓬の郷等の指定管理施設につきましては、民間の能力を活用しつつ住民サービスの向上と経費の節減を図るという目的を指定管理者と共有し、多様化する住民ニーズに効果的・効率的に対応しながら多くの市民や観光客が利用する施設として適切な運営に努めてまいります。
 市民サービスの向上、業務の効率化、グループ制の確立、庁舎スペースの確保等のため、老朽化した机等を更新し、グループデスク等を導入することにより、窓口や執務室の在り方を見直してまいります。

4 令和6年度の予算編成

 以上の主要施策等の取組を実現するために、令和6年度の当初予算を編成し、一般会計予算の規模は264億円となりました。
 令和6年度は、第2次総合振興計画後期基本計画の折り返しとなる重要な年であり、後期基本計画の着実な推進による目標人口の確保を当初予算の柱とした上で、若者の地域定着支援、結婚・子育て支援、魅力的で安心して暮らせるまち、DX・GX等の変革による地域課題の解決、の4つの視点を持って施策を構築したところです。
 今後の財政運営については、ふるさと納税に係る寄附額の伸びは堅調であるものの、その先行きは不透明であり、国・県補助金負担金の廃止、縮減など、歳入の伸びは期待できません。
 一方で、増加している人件費や扶助費など義務的な経費に加え、高度経済成長期に集中して建築された公共施設等の老朽化により、大規模改修、修繕等に多額の費用が見込まれ、更に厳しい財政運営が続くことが予想されます。
 「入るを量りて出ずるを制す」を基本方針として、事業の優先度を見極め、より効果の高い事業に重点的に取り組むことができるようメリハリのある予算編成に努め、令和6年度は令和5年度当初予算と比較し10億円、3.7パーセントの減となったところです。
 引き続き、所期の目的を達成した事業の廃止を前提に、整理・統合・縮減を徹底し、継続して実施する事務事業につきましても、ゼロから積み上げるなど、職員一人一人が徹底したコスト意識の下、国・県等の動向を注視しながら的確に対応しつつ、持続可能な財政基盤を構築するため、歳入・歳出両面にわたる行財政改革に取り組んでまいります。

5 おわりに

 以上、市政運営の基本的な考え方、第2次志布志市総合振興計画のまちづくりの基本目標に基づく主要施策、令和6年度当初予算の概要を申し述べました。
 これらの施策を推進することによって本市の魅力を更に高め、「行ってみたいまち・住んでみたいまち・住んでよかったまち」と思っていただき、目標人口の確保に向けて、全庁一丸となって取り組むことにより、持続可能な市政運営を構築してまいります。
 今後も引き続き、市民の皆様と共にまちづくりに取り組み、人口減少や物価高騰が続くこの難局を乗り越え、将来都市像「未来へ躍動する創造都市 志布志」を実現するためにも、市議会議員各位、そして、市民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げます。
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