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「園児や保護者に食の大切さを知ってほしいです。」と話すみどり保育園の前田園長。園児に安心・安全な給食を食べてもらうための取り組みをしています。今回は、みどり保育園でどんな取組みが行われているのか聞きました。
給食で出るフードロスについてどうにかしたいと考えていました。また、安心・安全な食材を使った給食を園児に提供したいとも考えていました。そんな時、SDGsという言葉を聞いて何か取り組むことができないかと考えました。SDGsに関連し、園児が食の大切さを理解してくれるにはどうすればいいかと考えて、2つの取組みを思いつきました。1つ目は園児たちに野菜ができるまでの大変さや楽しさを知ってもらおうと、園内に農園を造ることです。2つ目は給食を作る過程で出る、だしを取ったあとのカツオ節や煮干しをふりかけにすることです。
農園では無農薬野菜を作っています。土づくりを保護者が、苗の提供を地域の農家が、管理を園の先生が、収穫を園児が行っており、多くの人の協力を経て無農薬野菜を栽培しています。苗の提供をしてくれる農家さんには、野菜作りに関してたくさんのアドバイスをもらっています。他にも、農園で使う道具を提供してもらっていて、地域の農家さんの協力のおかげで美味しい無農薬野菜を作ることができています。
園児たちが収穫してくれた野菜は、給食で使う他に、園内に設置している無人販売所で保護者向けに販売しています。売り上げは園児の遠足やおもちゃの購入資金になっていて、保護者が園児のために野菜を買ってくれます。
遠足は地域の農家の収穫体験に行くこともあります。農家さんからの声かけもあり、地域のつながりが広がっていることを実感しますね。
おもちゃは、農園のお手伝いのおかげで買えると園児たちが分かっているので、大切に扱ってくれています。
農園での活動が知られてきて、新たに野菜の提供や収穫体験に呼んでくださる農家さんが増えてきています。地域のつながりを大事にしていきたいです。
園の給食ではカツオ節や煮干しでだしを取ったすまし汁を作っています。だしを取ったあとの食材を廃棄するのはもったいないと感じていました。そこで、給食の先生と相談して、カツオ節や煮干しを使ってふりかけを作ることにしました。
市販のふりかけは、量に限度があるため園児たちにいっぱいかけていいよとは言いにくいですね。私たちが作ったふりかけは保存することができないので、園児たちにいっぱい使っていいよと言っています。これまでは白ご飯のふりかけがかかっていないところは残りがちだったんです。でも、今は白ご飯にふりかけをいっぱいかけることができるので、残飯が減りましたね。フードロスに向けたいい取り組みになっていると感じます。
農園は地域のみんなで作られており、園児にも遠足やおもちゃでお手伝いへの還元をできていて、良いつながり・流れができていると思います。
園児が自主的に野菜の様子をチェックしたり、実が成っていると報告したりしてくれます。農園での野菜作りをとおして、園児や保護者に食の大切さを知ってほしいです。
ふりかけはフードロスを減らす想いで作り始めました。食材の無駄も減り、園児たちもふりかけを使っておいしくご飯を食べてくれるのでうれしいですね。
家庭でも野菜や給食での様子を話して食卓に笑顔があふれてくれたらいいなと思っています。