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所信表明 令和8年3月

更新日:2026年3月5日更新 印刷ページ表示

1 はじめに

 令和8年第1回志布志市議会定例会の開会に当たりまして、議員の皆様、市民の皆様に、所信の一端を申し述べる機会をいただきましたことを大変光栄に存じます。
 このたびの市長選挙におきまして、「いまこそ、市政を加速させる時!志布志市の未来をつくるのは、いま!」と訴え、市民の皆様からの信託を受け、引き続き3期目の志布志市政を担わせていただくこととなりました。改めて重責に身の引き締まる思いでございます。
 これまで市長として2期8年間、市民の皆様の負託にお応えすべく、全身全霊で市政運営に取り組んでまいりました。市民や事業者の皆様、市議会議員の皆様の御理解と御協力をいただきながら、国や県との強固な信頼関係を築き、市民の皆様にお約束した数多くの公約を達成し、志布志庁舎への本庁機能移転など行政改革や市政を推進することができました。
 3期目については、これまでの成果に満足することなく、誰ひとり取り残さない「市民が主役のまちづくり」という原点を決して忘れず、人口減少や物価高騰といった喫緊の課題を乗り越え、誰もが安心して暮らせる持続可能なまち志布志市を目指して、引き続き全力を尽くしてまいります。

2 市政運営に対する基本姿勢

 私が目指す「誰もが安心して暮らせるまち」とは、人口減少が進む中においても、市民や市内の事業者の皆様、その一人ひとりが将来にわたって幸せを実感できるまち、多くの方が志布志市に誇りと愛着を持ち、「行ってみたいまち・住んでみたいまち・住んでよかったまち」と思い、持続可能なまちとして発展し続けている状態であります。
 持続可能な発展とは、SDGsの考え方において経済・社会・環境の調和が重要であるとされており、本市においても、経済面での豊かさを追い求めるだけではなく、人々が交流する社会面での豊かさ、人々を取り巻く環境面での豊かさを、共に追求してまいります。
 本市の財産である「ひと」、「まち」、「みなと」、「ふるさと」を次の世代に引き継ぐため、市政の舵取り役として、しっかりと時代の潮流を読み取り、課題を未来へ先送りすることなく、逃げずに正面から向き合い、更に市政を力強く前に進めてまいります。
 人口減少が進む中において持続可能なまちとしていくためには、中心市街地の活性化と各支所を中心とした地域拠点の振興、それをつなぐ交通網という「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」の考え方がとても重要となります。それぞれの地域の活性化に努めながら、生活に必要なサービス機能と居住の集約を誘導し、市民の皆様の生活利便性の維持に努めてまいります。
 各施策の推進に当たっては、庁内の横断的な連携により全課で取り組み、市民の皆様との協働はもとより、企業の皆様との積極的な共創や、本市に想いを寄せる方々と連携を図るなど、多様なつながりを推進力にしてまいります。
 その上で、この4年間では、「くらしを守る、未来を育てる」と、「港が動く、人が動く、志布志市が動く」の2つをキーワードにして「暮らし」と「経済」の両面で、本市の持続可能な発展に向けて取り組んでまいります。

3 「くらしを守る、未来を育てる」6本の政策の柱

 暮らしの分野では、全ての市民が、年齢・性別・国籍・障がいの有無を問わず、安心して生活できる“暮らしの基盤”を強化してまいります。子育て・医療・福祉・教育・防災・デジタル行政など、市民の皆様の日々の生活に最も近い「暮らし」に徹底的に寄り添ってまいります。

⑴ 魅力的で安心して暮らせる市民サービスの向上

 「暮らし」の政策の1つ目は、魅力的で安心して暮らせる市民サービスの向上です。
 市民の皆様の暮らしの基盤を強化しつつ、誰もが快適で質の高い市民サービスを受けられるまちの実現に向けては、継続する物価高騰への対策、ごみの分別収集や公共交通など日常生活の課題解決、そして誰一人取り残されることのない社会の構築が必要です。
 そのため、長引く物価高騰から市民の皆様の生活を守り、地域経済を活性化させる目的で、市民全員への商品券配付や、プレミアム商品券事業に取り組み、家計の負担を軽減するとともに、市内での消費を促してまいります。
 高齢者などごみ出しが困難な世帯を支援するため、ご自宅まで収集に伺う戸別収集のモデル地区を設定し実施してまいります。また、一般ごみの固形燃料化など効率的に資源化する新たなごみ処理方法も検討し、環境に優しく、誰もが暮らしやすいまちの両立を目指してまいります。
 皆様の日常の移動手段である「チョイソコしぶし」を、より便利で利用しやすい運行形態へと見直します。また、福祉タクシーを含めて利用者のニーズに合わせて最適化し、誰もが気軽に移動できる公共交通を構築してまいります。
 高齢者、障がいのある方、外国人住民など、全ての市民がお互いの多様性を尊重し活躍できる社会を構築する心のバリアフリー化及び公共施設等のバリアフリー化の推進、多文化共生社会の構築、情報格差の解消など、インクルーシブ社会を目指してまいります。また、デジタル化による利便性向上と困難を抱える方々への訪問・伴走支援の両立により、あらゆる面から「誰一人取り残さない」支援体制を強化し、安心して暮らせる社会の実現を目指してまいります。

⑵ 子育て・教育の安心と質の向上

 「暮らし」の政策の2つ目は、子育て・教育の安心と質の向上です。
 少子化や人口減少が急激に加速する中、志布志市の未来そのものである子どもたちのために、これから結婚を迎える若い世代や子育て世帯が多様な働き方を実現し、経済的に心配することなく、充実した相談体制により安心して子どもを産み育てられる社会の実現こそ、本市の最優先課題です。また、ICTを活用した教育や多様な学びの場を提供し、子どもたちの個性や可能性を最大限に引き出す教育環境を整え、地域全体で未来を担う人材を育てることが求められています。
 そのため、令和7年4月に設置した「こども家庭センター」を拠点に、妊娠・出産から子育てまで、あらゆる相談への対応が可能な体制の強化を図ってまいります。ライフスタイルの変化や共働き家庭が当たり前となった今、多様化する子育ての悩みに対して、保育士や保健師、教育相談員や学校教育専門官などの専門職が連携しながら、それぞれの悩みに寄り添い、安心して子育てできる環境を整えてまいります。
 また、乳児等通園支援事業の実施や病児保育の支援、公認心理師や言語聴覚士の専門職による心理発達相談会・ことばの相談会の開催、小・中学校へ入学されるお子様全員への入学支援金支給など、子育て世帯のニーズに合わせたきめ細やかな支援策を充実させてまいります。
 子どもたち一人ひとりに合わせた学びや主体的・対話的で深い学びを実現するため、大学や企業・団体等の知的財産や専門性を生かした研修や教育活動を更に充実させてまいります。令和7年度に導入したオンライン学習サービスの「スタディサプリ」の更なる活用やプログラミング教育の充実と併せて、読書や表現活動の充実にも努めてまいります。また、6年後に児童数が3割減少することが見込まれておりますが、学校で次世代の人材を育成するためには、児童生徒が集団の中で多様な考えに触れ、認め合い、切磋琢磨することを通じて思考力や表現力、判断力、問題解決能力などを育み、社会性や規範意識を身に付けさせることが重要だと考えております。このことを踏まえ、今後の学校の在り方について、保護者や地域の皆様と一緒に考える場を設けるなどし、議論を醸成させながら、将来の担い手となる子どもたちにとっての「より良い学びの場」を一緒に考えてまいります。
 松山地域への令和11年4月の義務教育学校の開校に向け、保護者や地域の皆様と共に協議を進め、「教育のまち松山」の実現を目指してまいります。同時に、各学校跡地の利活用についても地域の皆様と共に検討を進め、更なる地域活性化を目指してまいります。
 学校に行きづらさを感じている児童生徒へ、安心して学べる環境を提供するため、令和8年4月に学びの多様化学校「悠志学園」を開校いたします。その一室を活用して、市内小・中学校に在籍する外国人の子どもと保護者のための日本語サポート教室も開設いたします。また、伊﨑田学園の隣接地には令和10年4月、新たな県立特別支援学校の整備を進め、多様化する教育ニーズに応えてまいります。

⑶ 医療・福祉の体制強化

 「暮らし」の政策の3つ目は、医療・福祉の体制強化です。
 全ての市民が住み慣れた地域で健やかに暮らし続けるためには、子どもから高齢者まで年齢や健康状態にかかわらず、安心して医療・福祉を受けられることが大切です。これまで誘致を進めてきた小児科の開院にとどまらず、公的病院の誘致にも取り組み、広域連携による医療体制の充実や健康づくりを推進していくことが求められています。
 そのため、子育て世帯の大きな安心につながる小児科医院の令和8年4月の開院と経営の安定化を引き続き支援し、子どもたちが身近な場所で質の高い医療を受けられる環境を整えてまいります。また、産前・産後のきめ細やかなケアや相談対応ができる助産院や助産師の体制を確保することで、母子の健康を守り、安心して出産、子育てができる環境を整えてまいります。また、公的病院の方向性について曽於医師会立病院が実施した現状分析業務結果を踏まえ、関係機関と協議してまいります。
 単身高齢者等の見守りについては、離れて暮らす家族に安心感を与え、介護者の負担を軽減するために、24時間見守りシステム等の導入支援について検討してまいります。
 令和8年7月の開業を予定している多世代交流施設において、子どもから高齢者までがにぎわい、交流できる活動の場を提供し、eスポーツなど新たな取組を進めてまいります。
 国籍を問わず、誰もが安心して医療・福祉を受けられるよう、多言語対応の通訳システムを活用し、分かりやすい情報提供や案内表示の充実に努めてまいります。

⑷ 災害に強い安全・安心なまちづくり

 「暮らし」の政策の4つ目は、災害に強い安全・安心なまちづくりです。
 近年、全国で頻発・激甚化する自然災害から、市民の皆様の生命と財産を守るためには、「自らの命は自らで守る」自助、「地域で助け合う」共助、そして「市が責任を果たす」公助、この三つの連携を基本に、防災教育の推進、避難所の機能強化、防災点検、デジタル技術の活用による迅速な情報伝達と的確な避難行動につながる体制構築が重要です。
 そのため、災害時に自分の命を守る「自助」と、地域で助け合う「共助」の力を高めることを目的にした、防災訓練や出前講座を積極的に開催します。自治会や地域コミュニティ協議会等と連携し、いざというときに行動できる防災意識の高いまちづくりを進めてまいります。
 いつでも、どこでも、誰でもスマートフォンやパソコンからハザードマップを確認できる地図情報サービス「しぶしる」や「災害救援マップ」の更なる周知に努め、市民の皆様の防災意識の向上と迅速な避難行動を支援してまいります。
 災害時に自力での避難が難しい高齢者や障がいのある方々を地域で支えるため、民生委員や消防団、自主防災組織との更なる連携を図ってまいります。また、誰もが安心して避難できるよう、発電機や非常用トイレ、各種備蓄品を計画的に整備・管理し、避難生活における不安を少しでも和らげられるよう備えてまいります。
 大規模な自然災害が発生した場合に致命的な被害を負わない強さと速やかに回復するしなやかさを備えるよう策定した国土強靭化地域計画や、橋りょうの定期点検・予防保全を計画的に進める橋梁長寿命化修繕計画に基づき、道路や橋りょうの防災点検を強化してまいります。
 地震による火災の過半数は電気が原因であることから、二次災害である電気火災を防ぐため、各家庭への感震ブレーカーの導入支援について更に周知に努めてまいります。
 立地適正化計画に基づき、災害リスクが低い場所への居住を誘導するなど、土地利用の観点からコンパクトなまちづくりを進めてまいります。

⑸ 市民が使いやすいデジタル行政

 「暮らし」の政策の5つ目は、市民が使いやすいデジタル行政です。
 市民の誰もがデジタル化の恩恵を受けられる、人に優しいデジタル市役所を目指すため、市役所での手続を「待たない」「書かない」から、更に「行かない」ものへと変革していく必要があります。併せてデジタルが苦手な方へのサポートも重要です。
 そのため、窓口で市職員が聞き取りながら申請書を作成する「書かない窓口」の手続を拡充するほか、いつでもどこでも手続ができるオンライン申請や、マイナンバーカードを利用したサービス、戸籍関係証明のコンビニ取得など、更にサービスを拡大して「行かない窓口」を充実させてまいります。
 それを実現するため市職員に対しては、従来のデジタルスキル研修の強化に加え、業務横断のリスキリング(学び直し)を推進し、データを起点とした発想・意思決定やデジタル前提の業務設計など、思考のデジタル化を根付かせます。市民の皆様にはアプリ講座やスマホ教室等を拡充し、世代やニーズに応じた学びの機会を用意することで、地域全体のデジタルリテラシーと活用力を高め、誰もがデジタル社会に参加し、価値を生み出す環境を築いてまいります。

⑹ 生活と環境を両立するまちづくり

 「暮らし」の政策の6つ目は、生活と環境を両立するまちづくりです。
 持続可能な社会の実現には、人と人とのつながりによる豊かで活気あふれるコミュニティが必須であり、それぞれの地域の美しい自然やまちなみを守り育てるために、自治会や地域コミュニティ協議会、市民の皆様や各種団体等が主体となったまちづくり活動の活性化が重要になります。コミュニティの活性化により、生活の質の向上と環境保全活動などを両立させ、次の世代に誇れる「ふるさと志布志」を築いていく必要があります。
 そのため、地域コミュニティ協議会を最良のパートナーとし、伝統文化の継承や清掃活動による景観保全、外国人住民との交流など、地域の魅力を高める取組を支援するとともに、若者や女性がより身近に感じるよう、情報発信の強化を後押しします。また、自治会については、デジタル活用等により運営負担を軽減し、日常のつながりを通じ、地域での支え合い、防災につながる自治会の重要性を周知することで、加入を促進し、共助の精神あふれる地域社会を築いてまいります。
 志布志市の将来を担う子ども達が、基本的な生活習慣を確立し、自尊心や自立心を持ち、地域での社会性を持って育つためには家庭教育が基本であり、子育てに関する講演会や、志アップ子育て手帳を通じた情報提供など、子育ての悩みや不安に寄り添い、家庭の教育力を高める支援に努めてまいります。また、市民の皆様のふるさと愛を更に高めるために、志布志の豊かな自然や生物多様性、リサイクルの取組について学ぶ環境教育を推進してまいります。
 増加する空き家については、安全な住環境を守り、景観を改善し、関係人口や移住など新たなまちの活用につなげるため、空き家の利活用や空き家解体後の住宅建築について補助制度の拡充を検討してまいります。

4 「港が動く、人が動く、志布志市が動く」5本の政策の柱

 経済の分野では、志布志港を核とした物流と貿易、商工観光・農林水産業の振興と高付加価値化、企業誘致、そして関係人口や移住による人材循環政策について、本市の“成長戦略”として取り組んでまいります。

⑴ 物流・貿易・企業誘致による成長基盤の強化

 「経済」の政策の1つ目は、物流・貿易・企業誘致による成長基盤の強化です。
 本市の最大の強みである志布志港の港湾計画が32年ぶりに改訂されたこと、都城志布志道路の全線開通や東九州自動車道の延伸は、物流・貿易拡大の千載一遇のチャンスです。交通アクセスの向上という強みを生かした積極的な企業誘致により、新たな産業と若者や女性が地元で働ける魅力的な職場を創出し、市民所得を増やし経済を力強く循環させる必要があります。
 そのため、東アジア・東南アジアに近いという志布志港の地理的優位性や「産直港湾」としての強みを生かし、県内外の食品、農林水産品の輸出増加に向け、ポートセミナーの開催や積極的なPR活動を通じて、志布志港の利用を促し、外貿コンテナ取扱貨物量を増やすことで、南九州随一の貿易港としての存在感を更に高めてまいります。また、令和7年11月に改訂された志布志港港湾計画に基づく志布志港の整備が早期に着工されるよう、要望活動等を推進してまいります。
 インター工業団地への企業誘致を積極的に進めるほか、交通アクセスを生かした新たな事業用地の検討を進めるとともに、企業立地促進補助金の交付要件を緩和し、市内外の企業訪問やフェアへの出展を通じて、本市の立地環境の優位性や補助金制度をPRし、多様な業種の企業を呼び込むことで、地域経済の活性化を図ってまいります。
 人口減少に抗い、本市の経済を活性化させるためには、若者や女性にとって魅力的で安心して働ける場所の確保と創出が最も効果的だと考えます。そのため企業誘致の庁内体制を整え、市内企業の設備投資を含めた企業誘致を強力に進めてまいります。
 人手不足分野における外国人材の新たな受け入れ制度として、令和9年に開始が予定されている「育成就労制度」に対応するため、本市で外国人材が安心して働き、暮らせる環境づくりに向けて、雇用事業者へのアンケートなどを通じて課題を把握し、生活支援や多文化共生の取組を事業者の皆様と一体となって強化することで、外国人材にとっても魅力的な「選ばれるまち」を目指してまいります。

⑵ 観光・交流促進による地域活性化

 「経済」の政策の2つ目は、観光・交流促進による地域活性化です。
 にぎわいと活力にあふれる観光地づくりのためには、市民の皆様が自らのまちに誇りを持ち、温かいおもてなしの心で来訪者を迎えることが大切です。そのため、歴史、文化、自然、食といったまだまだ知られていない志布志ならではの素晴らしい魅力を一つひとつ丁寧に磨き上げ、多様な切り口や組み合わせで市内外に力強く発信することで、交流人口の拡大と地域経済の活性化を図る必要があります。
 そのため、志布志東部地区エリア基本計画に基づき、歴史的建造物を活用した観光まちづくりを推進するなど、先人たちが守り築いてきた歴史・文化遺産や、志布志湾がもたらす美しい自然景観といった貴重な資源に新たな光を当て、魅力を磨き上げてまいります。そして、訪れる人々がその価値を深く体験できる観光コンテンツとして発信し、交流人口の増加につなげてまいります。
 地域通貨の活用や、歴史的建造物「山中氏邸」の利活用、多世代交流施設との連携により、商店街のにぎわいを取り戻してまいります。キャッシュレス決済の推進や、新たな出店を支援することで、魅力あふれる商店街の再生を目指してまいります。
 志布志運動公園体育館への空調設置、有明野球場の改修や多種多様なスポーツ活動を行える環境の整備を進めるほか、サッカーコートが揃うしおかぜ公園、テニスコートが揃う城山運動公園など、充実したスポーツ環境であることを全国・アジア圏などへも積極的にPRし、年間を通して多くの大会や合宿を誘致することで、交流人口の拡大と地域経済の活性化を図ってまいります。
 令和7年3月に策定された志布志港長期構想では、ハード・ソフト面からクルーズ船の受入れについて促進していくこととされました。それに合わせ本市も、寄港地、観光地及び特産品の産地としての魅力あるツアーを造成し、国内外からの寄港について船会社等への積極的な誘致活動を展開してまいります。
 市民や観光客が交流できる新たなにぎわいの拠点を創出するため、地元の新鮮な農産物や特産品を販売することができる物産館の設置を検討してまいります。市内外へ本市の食の魅力を発信するとともに、生産者の所得向上を目指してまいります。

⑶ 農林水産・地域産業の付加価値化

 「経済」の政策の3つ目は、農林水産・地域産業の付加価値化です。
 本市の経済成長には、経済の根幹をなす農林水産業と、それを支える地域産業全体の「稼ぐ力」の向上が重要となります。市場ニーズの高い作物のブランド力を更に高めるほか、国内外に誇れる特産品の生産、加工、販売まで一貫した支援、スマート農業技術の導入促進等により持続可能な強い農林水産業を確立することが求められています。
 そのため、てん茶や抹茶、ピーマン、うなぎ等の生産拡大など、市場ニーズの高い作物を産地化し、高付加価値化を支援してまいります。スマート農業技術の導入を促進し、省力化と生産性向上を図ることで、新規就農者の確保と「稼げる農業」の実現を目指してまいります。また、畜産については優良種畜の導入支援をすることにより、農家経営の維持向上を図ってまいります。
 農林水産業を始めとする本市の地域産業の裾野を広げ、多様な担い手が活躍できる、活力ある経済を創出するため、新たな地域資源を発掘し、事業展開を支援してまいります。
 企業版ふるさと納税制度を積極的に活用し、本市の地方創生プロジェクトについての新たな財源創出や公民連携を促進してまいります。また、企業との包括連携協定を通じて、専門知識やノウハウなどの外部資源を取り入れ、地域課題の解決を加速してまいります。

⑷ 人の流れを呼び込み、定着させる施策

 「経済」の政策の4つ目は、人の流れを呼び込み、定着させる施策です。
 人口減少が加速する本市においては、多くの方に「選ばれるまち」、中でも若者や女性に選ばれるまちを目指し、魅力的な職場や仕事、住まい、暮らしをPRして志布志市への新しい人の流れを生み出す「社会増」の施策を戦略的に展開する必要があります。また、交流人口や関係人口の創出・拡大まで、あらゆる角度から地域の未来を担う人材を確保する必要があります。
 そのため、移住・交流支援センター「エスプラネード」の機能を強化し、お試しで暮らせる新たな移住体験ハウスの整備や、民間と連携した空き家活用を進めてまいります。
 保育園と連携した1~2週間の「保育園留学」や、「地域高校みらい留学」といった新しい滞在の環境を整え、子育て世代や若者が本市の魅力を体験する機会を創出することで、関係人口を増やし、二拠点生活のきっかけをつくり、最終的な移住へとつなげてまいります。
 また、都市部の若者や女性が本市で学び体験する機会を創出するため、大学のサテライトキャンパス誘致を推進します。それにより新たな交流を生み出し、将来的な本市への就職や移住へとつなげ、地域の活性化を図ってまいります。
 首都圏の拠点である東京駐在所を更に活用し、首都圏からのふるさと納税を増やし、ふるさと納税をきっかけに本市の魅力を戦略的にPRします。志布志ファンを増やし、観光などでの来訪につなげ、将来的な移住へとつなげてまいります。
 本市との継続的な関わりを持ち、応援してくださる「関係人口」を増やすため、令和7年4月に締結した住之江区・商船三井さんふらわあとの三者協定を生かした関西圏との交流事業や、ふるさと納税をきっかけとしたファンとのつながりを深め、多様な人材とのネットワークを築き、本市の活性化や二拠点生活などへつなげてまいります。

⑸ SDGsに基づく包括的まちづくり

 「経済」の政策の5つ目は、SDGsに基づく包括的まちづくりです。
 令和8年度には、本市の最も基本的かつ総合的な指針として10年間の「第3次志布志市総合計画」と5年間の前期基本計画を策定し、併せて地方創生を進めるための「第3期総合戦略」を策定しますが、基本計画や総合戦略の全ての施策をSDGsに基づく「持続可能性」という軸で貫き、両計画に基づいた包括的なまちづくりを推進してまいります。
 令和7年7月に国より「SDGs未来都市」として選定を受けたことを追い風にして、本市の環境を守る取組が経済的な豊かさにつながり、それが市民の皆様の暮らしやすさを向上させるといった「経済・社会・環境」の好循環を生み出す、脱炭素社会の実現に向けた挑戦を加速させてまいります。また、地球温暖化対策は、未来の世代に対する私たちの責任であり、「ゼロカーボンシティ宣言」を行った本市としては、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、市民、事業者、行政が一体となって更に5Rを推進し、再生可能エネルギーの導入や省エネ化を進めてまいります。
 本市のリサイクル推進やごみの減量による循環型社会構築の取組を「環境に優しいまち」としてPRし、更なる地域イメージの向上につなげることで、新たな企業誘致や投資を呼び込み、持続可能な経済成長を目指してまいります。
 断熱・遮熱塗料といった省エネ技術については、国の補助制度を活用した家庭や企業等への導入を支援し、脱炭素化とコスト削減を後押ししてまいります。また、ペロブスカイト太陽電池等の次世代エネルギー技術の導入など、環境と経済を両立させるGX(グリーン・トランスフォーメーション)の新技術を積極的に検討し、その導入を支援することで、新たな経済モデルを創出してまいります。
 本市の財政を持続可能なものとするため、国等の交付金や補助制度を最大限に活用してまいります。また、事業者を対象とした国等の補助制度の情報提供にも努めてまいります。そのため、市職員の情報収集力や補助制度活用のための企画力を高め、国や県との連携を密にしてまいります。また、経年劣化等による公共施設の維持費が増加しているため、削減や統合など個別施設計画に基づく公共施設のマネジメントを強化してまいります。引き続き「入るを量りて出ずるを制す」を基本方針として、財政事情に鑑みながら、施策の展開を図ってまいります。

5 おわりに

 ここまで、「くらしを守る、未来を育てる」「港が動く、人が動く、志布志市が動く」の2つをキーワードにした市政運営の基本的な考え方を申し述べてまいりました。その具体的な取り組みにつきましては、毎年度の施政方針や予算においてお示しさせていただき、本市が「誰もが安心して暮らせるまち」であることを市民の皆様に実感していただけるよう、全ての分野を対象に必要な施策を整えてまいります。
 最後になりますが、本市の将来都市像である「未来へ躍動する創造都市 志布志」の実現に向けて、引き続き市議会議員各位、そして、何より市民の皆様の御理解と御協力を心からお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。
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